映画.com特別オンライン上映会vol.4『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ』の感想
※ネタバレあり注意!※
映画.com特別オンライン上映会vol.4『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ』をご覧くださった皆さま、ありがとうございました。
自分は、最終日の夜しか時間が取れず、ギリギリに観させて頂きました。
ムヒカさんの生い立ちを知り、少なからず日本との関りがあったことに嬉しい気持ちになりました。
リオの国際会議での演説は、本で読んでいましたが、ムヒカさんの言葉を観ると、その迫力と本気さに圧倒されました。
また、東京外国語大学での学生さんたちを前にしてのスピーチと質疑応答も、人生の激しい荒波を乗り越えてきたムヒカさんだからこその言葉の数々で、すべて懐も奥も深く、厳しくも温かく、考えさせられるものばかりでした。
特に、自分には子どもはいないけど、いるんだよ、というシーンが印象的でした。
ムヒカさんと奥様は世界を良くしようと一生懸命戦ってきたために、自分たちの子どもを持つ時間がなかったけれども、勉強する経済力がない大勢の子どもたちのために、学校を建て、国にプレゼントされた。
生物学的にはムヒカさんご夫妻に子どもはできなかったが、彼らはムヒカさんご夫妻にとって子どもだと話される所は、奥様の表情とともに、涙が溢れました。
自分も自分の子どもはいませんが、子どもは国の宝だと常々思っており、子どもたちの未来が少しでも明るくなるように、本当に微力ながら、自分でお役に立てることがあれば、全力を尽くしたいと思っています。
そして、ムヒカさんの仰っていることは、日本天台宗の開祖 最澄さんの言葉でもあり、2019年12月4日アフガニスタンで亡くなられた、NGO組織「ペシャワール会」現地代表の中村哲(なかむらてつ)医師が好んで使われていたという「一隅を照らす」にも通じるなあとも思いました。
また、このシーンの前のことですが、もう一つ、東京外大での学生さんとの質疑応答の中で気になったのは、最近話題になっている日本のジェンダー意識の低さです。
ムヒカさんが、この世で一番大切なものは愛だと仰ったことに対して、ある男子学生が下記のような質問をしました。
「愛がゆえに闘争とか貧困を生み出してしまうこともあるのでは?
たとえば、美しい素敵な女性がいるとして、僕は彼女を手に入れたいが、他の男も彼女を狙っているから、「彼らをいかに倒すか」ってことを考えてしまう。
いかにしたら世界のすべての人々を愛すことができるのか?」
これに対してムヒカさんは、下記のように答えました。
「あなたの愛に対するビジョンは、非常に個人主義的な考え方、所有的な考え方だと思います。
あなたは好きな女性を自分のものにしたい、手に入れたい。
でも、彼女に聞かなければいけないんじゃないですか?
あなたに征服されたいと思っているかどうか、彼女にも聞かなければいけないでしょう」
男子学生の質問に対して、その場にいた他の学生さんたちも悪気なく少し笑ってしまっていましたし、そういう空気になることは自分にも自然な流れに思えました。
が、男女平等が当たり前の外国の方から見ると、ものすごく違和感があったのだろうなと。
自分を含めて、これが日本の残念な現状なんだなとつくづく思いました。
ムヒカさんは、下記のように続けました。
「私が思うに、それはちょっと男尊女卑の考え方もあるような気がします。知性的に。
例えば男尊女卑ではなくて女性が選ぶんですよ。ひょっとしたら気づかないかもしれませんけれども。
自分だけが独立している、自分だけで決められるなんて思わないでください」
大学生世代でもこうなのかと思う反面、男尊女卑の空気が根強い日本で育ったら、それが当たり前に染みつくよなとも思いました。
大丈夫か、日本?
いや、大丈夫じゃないですよね。
そろそろ本当に変えていきたいですね。
妹と同じく、地上波TVで放送して、もっと多くの人たちにも観てもらいたいと思いました。
田部井一真監督の第一子「歩世(ホセ)」君の人生が幸せでありますように✨
■参照:ムヒカ大統領の東京外国語大学でのスピーチ
【書き起こし】世界でいちばん貧しい大統領ムヒカ東京外国語大学でのスピーチ ミニマリストのお手本