バレエと体幹と「キエフ・バレエ」

2022年11月3日 2022年11月4日

yurunobi

７月のことですが、現在中学２年生になった甥っ子が小学生の頃に通っていた、バレエ教室の発表会を、３年ぶりに観に行って来ました。

前回は2019年９月で、この時は甥っ子も出演していたのですが、その後、発表会の会場となっていたホールの改築工事があったり、甥っ子も中学生になりバレエをやめたり（今はバスケットボールを頑張っています）、なにより新型コロナ感染拡大があったりで、久々のバレエ鑑賞となりました。

コロナ禍生活が始まって以来、プロのバレエ団も厳しい状況に置かれていると思いますが、バレエ教室の生徒さんたちも、もどかしく、はがゆく、つらい時間が長かったのではないかと思います。

今回、発表会が出来ることは、生徒さんたちはもちろん、先生やスタッフの皆さま、親御さん、助っ人のプロダンサーの皆さまにとっても、本当に待ち遠しく、嬉しく、楽しみだったのではないかと思います。

ステージで踊る皆さん全員がキラキラしていて、今、ここで踊れる喜びに満ちている感じでした。

それは生徒さんたちに限らず、助っ人のプロの方々も同様でした。

お客さんの前で今できる最高の踊りを披露し、拍手を頂けることの楽しさ、素晴らしさ、ありがたさを改めて感じられながら、ステージを所狭しと躍動されているようでした。

今まで当たり前だったことが、いかにありがたいことであったかというのは、何事もなくしてみないと分からないんですよね。

そして、練習すらままならない状況の時もあったでしょうに、生徒さんたちはますます技術が向上し、安定感が増し、表現力が豊かになっていました。

身体をいっぱいに使って大きく動くことも、つま先まで神経を行き届かせて細かな表現をすることも、高くジャンプすることも、その場でクルクル回ることも、すべてしっかりした体幹の支えがなくしては出来ません。

コロナ禍生活の中でも日々の鍛錬を怠らず、続けてこられたことは、そのパフォーマンスからひしひしと伝わってきました。

プロのダンサーさんを含めて、自分はバレエを観ると、今日、このステージに立つまでに努力してこられた果てしない時間を想わずにはいられず、いつも胸がいっぱいになります。

生徒さんたちの成長に、勝手に毎回、胸熱になってしまいます。

生徒さんたちが、自分が信じた、求める未来に向かって突き進めますように。

そして、いつもながらステージの構成が見事で、楽しく、面白く、あっという間に時間が過ぎていきました。

今回で５回目の発表会鑑賞ですが、毎回、異なった趣向の演出がなされていて、一口にバレエと言っても幅が広いんだなあと感心します。

そうそう、初めて一緒に観に行った妹が面白いことを言っていました。

生徒さんたちのクラスには、お子さんや若者だけでなく、一般クラスという、お姉さん方のクラスもあるのですが、お姉さんたちと若者たちの違いは何だろう？と考えた所、足音だと言うのです。

確かに、お子さんたちや若者たちは、飛んだり跳ねたりしてもあまり足音がしないのですが、お姉さんたちは、ちょっとバタバタという足音がするのです。

足の裏までも神経を使って、常に柔らかく着地しないといけないなんて、バレエは本当に全身運動だなあと思いました。

※私見ですが、一般人でも足の裏が柔らかい人は、足の裏がクッションになって衝撃を和らげてくれるので、膝痛や腰痛になりにくいように思います。

そんなわけで、今回も大満足な発表会でした。

そして、１０月、Ｅテレ（NHK教育）の『ＥＴＶ特集』の「ステージで、輝くいのち〜戦禍のウクライナ国立バレエ〜」という番組を観ました。

この夏、ロシアによる侵攻後、初の外国ツアーを日本で行ったウクライナ国立バレエ団に密着したドキュメンタリー番組です。

とにかく、キエフ・バレエ団の皆さんの踊りが、めちゃくちゃに素晴らしかったです。

ステージでの最初の演目「ゴパック」の男性陣の力強さ、ベテランの音楽監督さんによる「瀕死の白鳥」のはかなくも繊細な全身コントロールされた動き、女性陣の優雅さ、どれもこれも圧倒的に美しいです！

まさに、心が動かされます！

『ＥＴＶ特集』の再放送の予定は現時点ではなさそうですが、その縮小版のようなMBS NEWSのニュース番組がありましので、良かったら観てみてください。

こちらの記事もどうぞ。

命を懸けてバレエを続けられているウクライナの皆さまが、一日も早く、安心してバレエに打ち込める日が戻ってきますように。